おともだちになりたくない犯人さん、新刑事コロンボ編。名犯人登場!

『新刑事コロンボ』こと、46話以降の中で。実際に、本当に、リアルでこいつに出会ったら、絶対に、おともだちにはなりたくないと思う犯人さん、ベスト3!

1位:ジャスティン(56話「殺人講義」
2位:チェイスさん(63話「4時02分の銃声」
3位:ブレークさん(46話「汚れた超能力」

1位:「殺人講義」は、主人公=犯人への嫌悪感を、故意にあおり、コロンボの精神美を、際立たせようという狙いが、大成功している作品。だから「殺人講義」は傑作であり、と同時に、主人公ジャスティンへの嫌悪感は、ただ事でなくなるのでした。

「4時02分の銃声」の犯人チェイスさんを下回る、ひととして大嫌いな犯人は出ないと思ってたのに…「殺人講義」のジャスティンへの、あたしのムカつきは、我ながらすごかったよ。怒りのあまり、テレビモニタ、割りそうになったよ。おまえが死ねばいいのにナムバーワンよ。被害者の教授先生が、かわいそうすぎる。こんなアホに、逆恨みされて、ゲーム感覚で殺されて…お、おのれジャスティン、許せんぞ。仏罰くらわっしゃい!

ちなみに、ジャスティンの共犯者、クープについてはどうかというと。罪の重さと、普段の生活態度では、ジャスティン同様に嫌いだけども、クチのききかたが、クープはまだおとなしい。ジャスティンは最後の最後まで、クチが減らない!キュー、ムカつく!あとジャスティンは、顔が気に食わない。トロンとした目つきが、イヤー!

2位:チェイスさんについてはこちら

3位:ブレークさんはね、根がアホタリなのよね。あたしは、ブレークさんの、もろモデルであるユリ・ゲラー含め、自称超能力者という分野自体が、そもそも好きではないんだわね。

そいでブレークさんは、自称超能力者のくせに、現実の未来を見通せないのね。おとなしく超能力研究所の経営続けておれば、貯金もできて、楽に暮らせただろうに。仕事上のパートナーでもある彼女を捨てて、CIAに就職しようとするなんて、もうアホかと、バカかと。手品でCIAの面接をだますなんて。実際の仕事場に行ったら、すぐにボロが出るに決まってるじゃないか。この行為は、彼女とCIAと、両方の信頼を、裏切ってるってことじゃないか。手品師だろうと超能力者だろうと、仕事である限り、いっとう大事なのは信頼関係なのに、ブレークさんは、周囲のみんなを裏切っているんだもの。アホな上に薄情で、始末に終えないわ。

あれ?ブレークさんって、ひょとしたら天然ボケなのか?自分の超能力は、実は種明かしのある手品だということを、自覚しながら、忘れたいようなフシがあるね。表情が、能面みたいなのも、気持ち悪い。残酷な手口でコロシといて、死体を直視する勇気はないという、中途半端さもイヤ。

ジャスティンもチェイスさんも、ブレークさんも、こうした嫌悪感を、強く感じさせるだけ、演技者として優れているわけです。

コロンボシリーズには、視聴者もコロンボも、犯人さんのことを、大好きになってしまう回が、多くあります。19話「別れのワイン」や、62話「恋におちたコロンボ」の犯人さんを、あたしは大好き。一方で、犯人さんの行いに、視聴者が反感を持つように持つように、意図して書き上げられている回もあるのね。

ジャスティンたち、おともだちになりたくない犯人像は、脚本が意図したテーマの成功例なのであり、名犯人と呼ぶにふさわしいと思います。