64話「死を呼ぶジグゾー」UNDERCOVER

米国初放送:1994.5.2
NTV初放送:1999.11.12
ピーター・フォークの年齢:66歳
ゲストスター:まったくぜんぜん、倒叙スタイルじゃないのよ
61話「死者のギャンブル」 に続き、『女刑事キャグニー&レイシー』のレイシー役で自分にはおなじみの、タイン・デイリーが出演。役名はドロシア。声もおなじみ、弥永和子さん。61話のタイン・デイリーを見たときは、あまりの…あまりの…あー、洋服のセンスのなさにガッカリしたが、今回は、そんなデイリーを「見慣れた」せいか、ガッカリはしなかったよ。今回、デイリーが演じた役柄は、心根の優しい、親しみのもてるいい女だったしねぃ。
本作を見る前に、資料本で、60話「初夜に消えた花嫁」と同じ、コロンボじゃない原作と知り、あんまり…あんまり…あー、期待はできないと思って見始めたが、コロンボはこうでなきゃいけないという先入観なしに見れば、本作は、そう悪い出来ではない。序盤の展開はグダグダしていて、コロンボには頭脳のキレがなくて、おもしろくないなぁーと思ったが、中盤以降、だんだんとひき込まれたよ。
★あたしがこれまでに見た新シリーズで、コロンボの頭脳が冴えわたって、かっこよかったのは、62話「恋におちたコロンボ」と、63話「4時02分の銃声」。
あたしは、幼児期にNHKコロンボを見ていた記憶があり、「ウチのカミさんがね〜」な名調子は刷り込まれていた。倒叙スタイルの傑作テレビ映画であることや、小池朝雄さんと石田太郎さんの声優交代などの、コロンボ知識はあった。だが、ひとつひとつのストーリーはまったく知らずに、いま見ている。そんなあたしには、倒叙でなきゃイヤンとか、コロンボはこうでなきゃイヤンという先入観はない。
★ただし作品としてのよさでは、明らかに旧シリーズのほうが勝っている。脚本の丁寧なこと、上品さ、見ごたえ、ワクワク感が、ダンチの差だ。
駄菓子菓子!あたしには、一個の好みがある。ピーター・フォークの実年齢だ。
あたしは、旧シリーズの40代のフォーク、エネルギッシュな、ギラギラした彼も大好きだが、新シリーズの、60代のフォークは、オトコとしてもっと好きなのだ。アリだ。老齢のフォークには、若い頃になかった男性的魅力がある。温厚で、知的で、ステキだ。
★旧シリーズと呼んでいる1〜45話、終了時1978年にフォークは50歳。新シリーズ46話開始時1989年には61歳。
だから、新シリーズは好き。老警部フォーク見たさの、そんなあたしには、本作はみどころ満載。なにしろ彼が、何度も何度も衣装を変えるのだ。あまつさえ、ものすごく脱ぐのだ。入院着をまとったシーンで、腕とすねが見えただけでヒャー。すねが白いのでキャー。さらに車中お着替えシーンでは、トランクスまで見せてしまうんですものキャー。彼ってトランクス派なのねえ。
コロンボシリーズには、たびたび出演しているという、ピーター・フォークのホントのカミさん、シェラ・デニスを「ああ、この人か。」と確認できたのも収穫だ。
★番組中の字幕では、SHERA DANESEは「シェラ・デインス」と表記されていた。
「♪シェラ・デニスはフォークのカ・ミ・さ・ん!」と歌っておぼえよう。嘉門達夫紅白歌合戦で歌ってた、「♪南田洋子長門のカ・ミ・さ・ん!」のふしで。
しかしだな。本作で、あたしが、どうにもこうにも、いっとう気になるのは、タイン・デイリー演ずる、気のいい下町女ドロシアに、コロンボが話しをきくシーンだ。
コロンボや。いつも通りのコロンボ刑事らしい事情聴取、し終わって…な…なん…なんで、彼女にチューだね?!チューてきみぃ。なんでそこでチュー。クチ同士で。意味あらせんがなそのチューは。どおーも、ピーター・フォークは、タイン・デイリーを個人的に好きらしくてだな、この意味なしキスシーン、フォークの趣味全開な気がするんだよな。そんなにシタイんなら、チューでもなんでも、好きなだけやれや、セットの裏で!とかいいつつ、フォークのこういうシーンをもっと出せ。と、喜んでいる自分さ。